『デフレの正体』著者・藻谷浩介先生をお迎えして

特別講演会「農商工連携による持続可能な美唄の魅力づくりに向けて」
開催期日 2011(平成23)年2月21日(月)
開催場所 美唄市民会館 2階会議室
聴講人数 169人(アンケート回収93人)

2年間に渡り「地域の魅力まるごとブランド化」に向けて取り組んできた検討委員会が最後にお送りする特別講演会。講師には、50万部を超えるベストセラー『デフレの正体—経済は「人口の波」で動く』(角川oneテーマ21)の著者である藻谷浩介先生をお招きしました。平成合併前の3,200市町村の大半を私費で訪れ、地域特性を多面的に把握する藻谷先生の目に美唄はどう映ったのでしょうか。

2015年までに人口はどうなっているのか?

昭和30年代の9万2,000人をピークに現在2万6,000人近くまでの落ち込みを止められない美唄の人口。「このまま何もしないとどうなるのか」という、いささか悲観的な切り口から藻谷先生の話は始まりました。先生がスクリーンに写し出すデータの出典は、国立社会保障・人口問題研究所。「今後2015年までに人口がどうなるのか、というあくまでも予想の数字。ハズれることも多々ありますが客観的なデータであることは事実です」と断りを述べたうえで、話を続けていきます。

若者が減り高齢者が増える、都会は一人勝ち?

美唄では、2015年になると人口4,000人が減少と予想され、うち15歳から64歳までの現役層が減少するのに対し、65歳以上が9%増。「現役層はそのまま消費者層でもあるので、市民相手の商売は苦しくなっていきます」という先生の厳しい指摘が入ります。ですが、この後に札幌と首都圏の予想人口データを比較すると、人口の多さに伴い65歳以上の増加率も上昇。「都会だけは別、若い人が集まって好景気だと皆さんが思っているのなら大間違いです」。地方が抱きがちな思い込みを挙げ、客観的なデータで意識改革を促します。

美唄在住者以外は全員「外国人」だと思って

札幌、東京に比べると高齢者の予想人口増加率がゆるやかな美唄。しかも市の基幹産業である農業では65歳以上も現役が当たり前。「元気な高齢者が多い、すなわち医療負担が少ないまちだということです」。となると、美唄が考えるべき課題は一つ「いかに若い世代を出て行かせないか」、集まった参加者の表情も真剣です。そこで藻谷先生からの提案は「女性就労の促進と女性経営者の増加」「外国人観光客、短期定住者の増加」。ここでいう外国人とは「美唄に住んでいない人は全員“外国人”だと思ってください」とするのが藻谷流。交流人口を増やす農商工連携の鍵は何なのか、話は徐々に核心へと近づきます。

低価格や過剰サービスの時代はもう終わり

と、ここで道内の観光スポットにあるカフェのメニュー写真がスクリーンに登場しました。「(商売として)何がいけないか、皆さんわかりますか?」藻谷先生の問いかけに会場から「…地元のものがない?」「その通り!北海道といえば期待されるものは何ですか?答えはそう、牛乳です。せっかくお金をかけて北海道まで来たのに“ここでしか飲めないもの”がメニューに欠けている」。客のデータを細分化し、そこから見えてくるターゲットが自分たちに何を求めているかを自覚する。地域ブランドの構築には「セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング」が必要不可欠だと藻谷先生は訴えます。中高年層に食べきれないほどの量を出すなどの過剰サービスや低価格を売りにするよりも、お客様が価格以外の「言い訳」を持って選ぶ商品づくりが問われる時代にきているのです。

札幌からJR30分、美唄にできないはずがない

最後に先生は、地域活性の成功例として島根県隠岐郡の離島、海士(あま)町を紹介。「地域ブランド化が軌道に乗れば雇用が生まれ、海士のようにわがまちに若者が戻ってくる。札幌からJRで約30分、美唄焼き鳥など食の話題も豊富な美唄にそれができないはずがないんです」という力強いエールを送り、藻谷先生の講演会は幕を下ろしました。当初2時間の予定が参加者とともに盛り上がり、なんと3時間の長丁場に!示唆に富んだお話をしてくださった藻谷先生、会場にお集りいただいた皆さん、本当にありがとうございました。

【アンケートからピックアップ】「また藻谷先生に講演してほしい」と望む声が9割も!
「間違った思い込みが多いことに気付かされた。美唄にも、まだまだ可能性があることが分かりました」
「鋭い指摘と面白い話で大変ためになったし、もっと美唄のことを考えなければと思いました」
「講演会は、よく一方的に話して終わりが多いが、参加型で興味を引くのが上手い。見入ってしまいました。また是非講演をして欲しいです」

投稿者:美唄の魅力まるごとブランド化推進事業(2011-03-04)

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